6月26日(日)「校長だより」第11号

【熱中症予防 × コロナ感染防止】

蒸し暑い日が続いています。皆さん体調管理は上手にできていますか? 学校の環境はエアコンの改修工事が終了し、教室ではほっと一息つけるようになりました。

これからの時期に心配されるのが、熱中症です。高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態で、室内でも発症し、場合によっては死亡に至るケースもあります。

そこで、考えなければならないのがコロナ感染防止のためのマスク着用との兼ね合いです。これまで感染対策の有効な方策としてマスク着用が推奨されてきました。しかし、マスクにより熱が逃げにくくなったり、気づかないうちに脱水になったりするなど、体温調整がしづらくなってしまいます。

先日の柏集中体育(2年生)において、先生方から「運動時はマスクを外して」との呼びかけがありましたが、マスクを着用している姿が目立ちました。以前、テレビのワイドショーやネットで知った言葉に、「顔パンツ」があります。マスクを外して顔を人前にさらすのは、人前で下着を脱ぐのと同じで、マスクはもはや顔のパンツとなった、という人が多くなっているようです。

「顔パンツ」を検索すると、「外して幻滅されたくないんですよね。『残念な顔』とか思われたら嫌じゃないですか」と語る女性(24歳)ほか、「表情を読み取られず、話したくないアピールにもなる。先生に怒られてもダメージが少ない」という男子学生(21歳)の声も紹介していました。調査によると、コロナ後も「外出時はマスクを着ける」が約25%という結果でした。

私は、個人的にはマスクは、鬱陶しいと感じています。雨の日には、眼鏡が曇ることにもうんざりです。よって校長室で一人でいるときは極力外しています。また、コミュニケーションを図る時の情報量が大きく減ってしまうことも心配です。「メラビアンの法則」によると、話の内容(言語)、表情(視覚)、声質(聴覚)の情報のうち、どの情報を優先させるかというと、言語7%、視覚55%、聴覚38%だそうです。つまり、話の内容より、見た目や声の調子などの「非言語の情報」が9割以上も優先されるそうです。マスクをすると、顔の表情が半分以上隠れてしまい、視覚の情報量が半減します。

歳をとり、認知・認識の能力が衰えたせいか、とても不便を感じます。以前から知っている人は、過去の記憶がインプットされているため、目元だけでも全体を想像して顔を認識できますが、初対面の人がマスク顔の場合、なかなか覚えられません。たぶん、別の場所でバッタリ出会っても、気づかないこと請け合いです。もし無視したとしても、どうか許してください。

文部科学省、環境省や厚生労働省からは、熱中症が命に関わる重大な問題であることから、マスクの着用が不要な場面(体育の授業や部活動の運動中、登下校時)では、熱中症対策を優先するよう注意喚起がされています。もちろん、できるだけ距離を空け、近距離での会話を控える、屋内の体育館等の場合には常時換気を徹底するなどの取組が必要なことは言うまでもありません。

現在、コロナの感染者数が少し減っているようですが、「熱中症予防」と、「コロナ感染防止」を上手に両立させていきましょう。